漢方相談に行ったら腎が悪いと言われたけど
健康診断では腎臓の事なんて言われてなかったのに・・・

もしかしたらそんな経験をなさった方も
いらっしゃるのではないでしょうか。

「漢方よー分からんわ」の原因の一つかもですね(笑
なぜこのような食い違いが起こるのでしょうか。

この二つ、学問としては源流と言いますか
人体や病気に対する考えがまったく違うんです。
結果として五臓の捉え方にも違いが生まれます。

西洋医学は解剖学の歴史であり
人体の不思議を科学的に分析、説明しようとします。
ですので感覚的な捉え方はせずに
病気の因果関係を実験や研究で徹底的に究明します。
考え方としては全体よりも「局所的」であり
五臓の捉え方も「場所」としてです。
泌尿器科、循環器科、など部位ごとに
専門が分かれているのもそのためと言えます。
薬に関しても病名がついたものに対して
今目の前にある症状に素早く対処したい時に
処方される事が多いですね。

対して東洋医学とは観察学の歴史であり
人体を自然の一部として考え、長い年月をかけて
仮説と検証を繰り返してきた統計学とも言えます。
「全体の調和」を最優先に捉えており、
五臓の捉え方は特定の「場所」ではなく
身体全体の役割を担っている概念として表現されます。
病気というよりは患者の自覚症状を重視して
西洋医学的な病名がなくとも
「症状を感じている」という事に対して対処します。